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2022.09.26 基板設計

【基板設計】基板設計時に知っておきたい〈不良の出にくい部品の配置〉

1.プリント基板の分割時、分割する箇所の周辺では基板に「ひずみ、たわみ」が発生しやすく、隣接するチップ部品にクラックが入ってしまう場合があります。(下記例)対策として分割部分に対して、実装部品を平行に配置するとクラックの発生を抑えられます。
また、分割部分からできるだけ遠ざけることも有効です。


JEITA『「電子部品の安全な使い方セミナー」講演資料』より               チップコンデンサクラックの例

 

【セラコンのクラック原因】基版の反りや曲げ

コネクタ等の挿入部品の取り付け時、基板のビス止め時、基板検査時などに、基板に過渡的な力が加わり、基板が反ったり曲がったりすると、セラコンにクラックが発生することがあります。
基板が反ると、基板の上面は伸び、下面は縮みます。この伸び縮みによって、ランドが左右に移動します。ランドが移動すると、セラコンに引張応力が発生します。この引張応力がセラコンの強度を上回るとクラックが生じます。

 

【セラコンのクラック原因】基板分割時に発生する応力

基板分割時、基板に過渡的に力が加わり、セラコンに引張応力が発生します。
この引張応力がセラコンの強度を上回るとクラックが生じます。

基板分割時にセラコンが受け機械的ストレスは
プッシュバック<スリット<Vカット<ミシン目
の順で大きくなります。

 

基板分割時に発生するクラックの対策


引用:Electrical Informartion https://detail-infomation.com/ceramic-capactitor-crack/

 

基板分割時に発生するクラックの対策を下記に示します。

1.基板の端にセラコンを置かない
基板の端に近づくほど、機械的ストレスが大きくなります。また、L字基板での折れ曲がった部分なども応力が集中しやすいので、セラコンを配置しないほうが良いです。

2.分割ラインに対して平行にセラコンを配置する
分割ラインに対して平行にセラコンを配置すると、基板分割時に短辺方向が歪むので、クラックが発生しにくくなります。分割ラインに対して垂直にセラコンを配置すると、長辺方向が歪むため、クラックが発生しやすくなります。

3.専用治具で基板を分割する
手割りは機械的ストレスが大きくなるため、手割りではなく、専用治具で基板を分割すると、クラックが発生しにくくなります。